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2018-12-01

2018年度のAndroidアプリ開発に関して その2

久々にAndroidアプリを製作してみたら、太古の時代とはいろいろと状況が変わっていた話のその2。
今度は、大幅にパワーアップしたPlay Consoleに関して気になった機能を挙げていく。

App Signing (アプリの署名)

サーバー側でアプリへ署名を行う仕組み。
アップロードキーで署名してパッケージをアップロードするとサーバー側で配布用の鍵で署名し直してくれる。

厳重管理の配布用鍵を共有する必要がなくなるので運用が楽になる。組織にもよるが、アップロードキーはgitへ含めてしまって問題ないように思える。

Android App Bundle (アーティファクトライブラリ)

aab。以前のapkに変わるもの。

aabでアップロードすると、Google Play側で各端末に最適化(不要なリソースを削る等)したapkを生成してくれるので、ユーザーのダウンロードサイズを抑えることができる。 アプリの分割配信にも対応。

apkやaab等をまとめてアーティファクトと呼称するようになったようだ。また、(aabから生成したものではない)以前の形式のapkを、ユニバーサルAPKと呼ぶようになった。

リリース前レポート

テスト端末を使用した自動化された受入テスト(品質テスト)が行える。

Firebase Test Labの機能が一部取り込まれたようだ。Robo Scriptにも対応している。

アプリのリリース

トラック(配布チャンネル)が「内部テスト版トラック」「クローズドトラック(アルファ版)」「オープントラック(ベータ版)」「製品版トラック」の4つに整理された。

段階的に公開範囲を広げていくリリースシナリオに沿ったもののようだ。初版リリース前なら「内部テスト版トラック」を作成することで、ストア表示の確認にも使える。

ストア掲載情報のテスト機能

ストア表示のプレビュー機能が搭載されたか誤解したがそうではなく、ストア掲載情報に関してのA/Bテストが行える。(50%のユーザーに対しては別パターンの画像を表示等)
アプリのA/Bテストですらないので開発者が気にする類ではない。広告屋によるマーケティング担当に向けた機能。

以上、気になった機能を挙げてみた。

外部サービスが必要であったものもPlayコンソールで行えるようになっており、企業による本格的な開発におけるリリース管理全般に使えるような改善が行われている。
QAやマーケ担当に向けた機能が充実しており、以前は開発者が使うものといったイメージを持っていたが認識を改めたいと思う。

また、逆説的にそういった機能が必要となる程、今のアプリは多様な人材が必要で、組織立って多大なコストをかけて行う重いビジネスとなってしまったのだと感じてしまう。

戦略会議で意見表明するマーケティング担当

QAチームによる最終品質チェックの様子